お新香と古香(おしんことこうこ)

パソコンや携帯電話の漢字変換でお新香(おしんこ)は出ても、古香(こうこ)は出なくなってしまいました。
つけもの屋の私でさえ10年程前まで「漬物のことをこう呼ぶ事がある」程度に思っていたのですが、実はまったく違いました。

古香は、沢庵などのいわゆる保存食として日常に食べられていた漬物。
新香は、祝い事などのハレの日のお客様に出す為につくられた浅漬けの事を言ったのだそうです。

ハレの日に対する日常はケと言い、主食もハレ=白米、ケ=粟や稗などが入った雑穀米。
汁物も、日常のケは具沢山の味噌汁でハレの日は吸い物というように使い分けをしていたのだそうです。

四季折々の感性だけではなく、お客様を呼ぶ日をハレと言い、食事の中の漬物一つにまで心を配る日本人の心を忘れないようにしたいと思います。

ボタン一つで世界中に瞬時に文章や画像が送れるようになった現代でも、手書きの手紙やはがきを心を込めて書く時間を持つようにしたいものです。

2012年 2月 06日掲載
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